比叡山2峰正面壁
12/5 メンバー木下、山本
5:00離福→10:00取り付き→17:00下山完了
比叡山は今までかなり通ったが、未だに2峰に手を出したことはなかった。
切り立った2峰の威容は魅力的だが、全般的にクラックに乏しい比叡山は残置に頼らざるを得ず、人の通わぬ2峰は登れないだろうと思っていた。
しかしNPでも登れるという話を聞き、2峰正面壁を今季の最終目標と定め、後輩の梅本を相手にこそこそと登りこみ(Bチームクライミングツアー参照)当日を迎える。相方の山本CMは車に乗るなり助手席で何やらものすごい勢いでパソコン相手にバチバチとやり始め、時代に全くついて行けてないことを実感する。気になる天気は今一つで先週とは一転してやたらと寒い。
意外と早く比叡山着。2峰正面を左手に見て適当な踏み跡を辿ると、岩壁の基部に出るので3峰側に巻くとfixが上に延びているのでそれを伝うと取りつきである。
今年初の冷たい風に曝され、寒さに慣れていない身体に堪える。
1P(10b~c)山本リード
いきなり出だしからハングを越え湿ったクラックを効かないジャミングで登ってゆく。とにかく手が冷たく途中からクラックからブッシュが溢れ出るように生えており、頭を押さえられフリーどころじゃなくなる。
2P(11b)木下リード
すっきりとした凹角にクラックが走っている。傾斜と濡れたクラックにビビッて早々にA1に逃げる。過剰なまでにハンガーが打ってあり、今になって思えばとことん突っ込めばよかった。登れるかはともかく高度感満点の素晴らしいピッチ。
3P(5.8)山本リード
ルート下部と上部とをつなぐジョイント的な短いピッチ。さらに風が強くなりとにかく寒い。
4P(10b)木下リード
開けたスラブ帯の中央付近を走る凹角を登る。快適だが上部のフレークはブッシュが詰まっており残念。
5P(10b)山本リード
オーバーハング基部のフレークをアンダーでトラバースするのだが、フレークがグラグラして恐ろしい。ボルトは今にも崩壊しそうなフレークに打たれているものもあり、注意が必要。
6P(5.8)木下リード
右手にボルトラダーを見ながら左手のチムニー~カンテを登るがブッシュがうるさく、有効なプロテクションも取れないので、素直にボルトラダーを登ればよかった。
7P(5.8)山本リード
三角形のフェースに走るクラックを繋いで小ハングの左側へ上がり込む。
8P(5.9)木下リード
ハングを左から巻き、クラックを数手ハンドジャムで登ると、傾斜が落ちる。浮石に注意しながら右側に巻くようにも乗ると、正面壁を見下ろす小岩に終了点がある。
しばし余韻に浸っていたいところだが寒くてそんな段じゃなく、そそくさと樹林帯に逃げ込み、踏み跡とテープを辿り一般登山道から下山し一息つく。
スタイルはともかく素晴らしいルートだった。ボルダリングやスポートといった凝縮されたクライミングも悪くはないが、やはりマルチピッチの圧倒的な空間を旅する感じが好きだ。
ようふの